甲府の銭湯で3日間だけ展示をしてきました。flowing outという、去年から始まった展覧会です。企画したのは歩帆舎のおふたり。愛知トリエンナーレ2013でアシスタントキュレーターをしていた堀切春水さんと甲府の芸術祭の企画や音楽家など、幅広く活動している五味文子さんのユニットです。流れ流れて甲府にやって来た&帰ってきたおふたりは、ここで何かしようと歩帆舎を立ち上げたそう。けして大きな街ではないけれど、何かしたい人達がみんな繋がっていて、そこが何かある場所に変わっていく。そんな感じがとても楽しかったです。ふたりの人柄とやる気が人を惹きつけるのかなぁ。わたしは男湯担当ということで、堀切さんによんで頂きました。
甲府は銭湯文化が盛んな土地でしかも源泉を使っているので、お家にお風呂があっても行くんだそうです。ただそれでも最近は銭湯に通う人が昔に比べると減ってきているようで、廃業してしまう所も少なくないと。竹の湯さんも10年程前に廃業されてそのままの場所でした。歩帆舎さんが出会ったのにも色んなご縁があったそうなのですが、本当に素敵な空間でした。高い天井、使い込まれた大きな籐籠、柔らかくひかるタイル、明るくて風通しがよく、脱衣所から浴室まですーっと空気が抜けて行く。営業されていた頃もどんなに気持ちの良い場所だったんだろうと、展覧会場でまったりする人々を見て想像しました。堀切さんも五味さんも子育て中なのもあって、子どもたちが会場でごろごしたり、絵を描いたり、とたとた走ったり。おばあちゃんやお兄さんとお菓子食べたりお話ししたり。茹でたピーナツや甲州ぶどう、新米おにぎり、お赤飯。美味しいもの沢山頂きました。なんていうか、生活の延長線上に展覧会があるのがとても良かったんです。押し付けでもなく、良い展覧会をそこに作っていこうとしているおふたりの活動はとっても意義があることだなぁと思いました。
そんな素敵な空間で私は「水のない池」というタイトルで、浴槽の中にインスタレーションをしました。紙のお花と紙の虫で展示を作っていくのがとっても楽しくて、ずっとアドレナリンが溢れてて、頭がおかしくなりそうでした。空間と対話しながら作品を作ること。展示をして改めてそこにある磁場の大切さを感じました。展覧会というのは作品だけで作り上げるものじゃなくて、作品とその場所、人、社会、自然色んな全てとのの対話で作るものなんですね。
二日間で広い浴槽を埋めるのはかなりハードでしたが、遊びに行く感じでふらっと付き合ってくれたインストーラーの小柴さんを200%働かせて、やっとなんとか完成したのでした。ほんと奇跡。そう…実はこのところ制作が思うようにできてなかったのです...。けれどもそんな中でも、竹の湯さんの美しい空間と、漂う金木犀の香りと、戸川純と、神聖かまってちゃんと、ゆでちゃんの魔力で (銭湯の中でずっと聴いていた)、インスタレーションを作ってる最中は最高に楽しく生きることができました。ずっと自分に嘘をついているのが苦しくて、最近やっと正直に生きようと決めたんですが、それもやっぱり辛いことばっかりで。何をしたって私は駄目だけれど、でもこういう瞬間のために、生まれてきて良かったなと感謝しています。
嵐がきて、世界はゆさゆさ揺れている。
秋と夏は行きつ戻りつしながら、無かったことにされていく
これからどんな気持ちでやってこうか、まだ決めてないけれど、せめていつも明るい気持ちで人に優しくできたらいいなと思います。
甲府は銭湯文化が盛んな土地でしかも源泉を使っているので、お家にお風呂があっても行くんだそうです。ただそれでも最近は銭湯に通う人が昔に比べると減ってきているようで、廃業してしまう所も少なくないと。竹の湯さんも10年程前に廃業されてそのままの場所でした。歩帆舎さんが出会ったのにも色んなご縁があったそうなのですが、本当に素敵な空間でした。高い天井、使い込まれた大きな籐籠、柔らかくひかるタイル、明るくて風通しがよく、脱衣所から浴室まですーっと空気が抜けて行く。営業されていた頃もどんなに気持ちの良い場所だったんだろうと、展覧会場でまったりする人々を見て想像しました。堀切さんも五味さんも子育て中なのもあって、子どもたちが会場でごろごしたり、絵を描いたり、とたとた走ったり。おばあちゃんやお兄さんとお菓子食べたりお話ししたり。茹でたピーナツや甲州ぶどう、新米おにぎり、お赤飯。美味しいもの沢山頂きました。なんていうか、生活の延長線上に展覧会があるのがとても良かったんです。押し付けでもなく、良い展覧会をそこに作っていこうとしているおふたりの活動はとっても意義があることだなぁと思いました。
そんな素敵な空間で私は「水のない池」というタイトルで、浴槽の中にインスタレーションをしました。紙のお花と紙の虫で展示を作っていくのがとっても楽しくて、ずっとアドレナリンが溢れてて、頭がおかしくなりそうでした。空間と対話しながら作品を作ること。展示をして改めてそこにある磁場の大切さを感じました。展覧会というのは作品だけで作り上げるものじゃなくて、作品とその場所、人、社会、自然色んな全てとのの対話で作るものなんですね。
二日間で広い浴槽を埋めるのはかなりハードでしたが、遊びに行く感じでふらっと付き合ってくれたインストーラーの小柴さんを200%働かせて、やっとなんとか完成したのでした。ほんと奇跡。そう…実はこのところ制作が思うようにできてなかったのです...。けれどもそんな中でも、竹の湯さんの美しい空間と、漂う金木犀の香りと、戸川純と、神聖かまってちゃんと、ゆでちゃんの魔力で (銭湯の中でずっと聴いていた)、インスタレーションを作ってる最中は最高に楽しく生きることができました。ずっと自分に嘘をついているのが苦しくて、最近やっと正直に生きようと決めたんですが、それもやっぱり辛いことばっかりで。何をしたって私は駄目だけれど、でもこういう瞬間のために、生まれてきて良かったなと感謝しています。
嵐がきて、世界はゆさゆさ揺れている。
秋と夏は行きつ戻りつしながら、無かったことにされていく
これからどんな気持ちでやってこうか、まだ決めてないけれど、せめていつも明るい気持ちで人に優しくできたらいいなと思います。